「何度も担任の先生に相談しました。でも、『お互い様だから』と笑って流されたんです」――被害児童の母親は、声のトーンを落としながら当時の無力感を振り返る。被害が表面化したのは昨年の秋口。登校拒否や突然の体調不良が相次ぎ、不審に思った保護者が詰問したことで、悲痛なSOSが明るみに出た。
学校側が作成した初期調査メモには、クラス内で起きていた集団無視や持ち物の隠匿といった具体的な事実が断片的に記録されていた。しかし、担任は学年主任や校長への報告を行わず、自らの判断で「当事者同士の話し合い」を設けただけで解決済みと処理していた。学級経営の失敗を恐れるあまり、不都合なトラブルを抱え込み、解決を先送りにする構造がそこには存在していた。