インターネット上の古い裏技記事には、科学的見地から見て極めて危険なアドバイスが散見されます。愛機を再起不能にしないために、以下の2つの盲点と正しい対処法を理解しておかなければなりません。
ドライヤー加熱はバッテリーと有機ELの「突然死」を招く
接着剤を柔らかくするために「ドライヤーで温める」という手法が紹介されるケースがありますが、スマホフィルムドライヤー加熱の注意点として、現代のスマートフォンに対して温風を至近距離で直接当て続ける行為は極めて高リスクです。
スマートフォンに内蔵されているリチウムイオンバッテリーは45℃以上の熱環境で急激なセル劣化を起こし、最悪の場合は膨張や熱暴走を誘発します。また、有機EL(OLED)ディスプレイは熱に極めて弱く、60℃を超える局所加熱によって画面の常時点灯異常(焼き付きやドット抜け)や変色が発生します。もし粘着層を和らげたい場合は、人肌程度に温めた蒸しタオルをジップロック等に入れ、画面の上に1〜2分軽く乗せる程度にとどめるのが鉄則です。
頑固な糊残りを完璧に落とすケミカルの選定基準
劣化した安価なフィルムを長期間貼っていた場合、剥がした後にベタベタした粘着剤が画面に残ることがあります。このスマホフィルム糊残りの落とし方において、除光液(アセトン含有)を使うのは厳禁です。アセトンはスマートフォンの筐体プラスチックやパッキン、ディスプレイのコーティングを激しく溶解させます。
正解は、無水エタノール(またはIPA=イソプロピルアルコール)をマイクロファイバークロスに少量染み込ませ、円を描くように優しく拭き取ることです。アルコールが手元にない場合は、マスキングテープやセロハンテープの粘着面を使って「ペタペタと押し当てて糊を転写させて取る」方法が極めて安全かつ効果的です。