SNSや大手アパレルECのレビュー欄、知恵袋などのコミュニティでは、重ね着に関する切実な体験談が連日投稿されています。特に目立つのは「可愛いと思って買ったざっくりケーブルニットを着たら、手持ちのコートがどれも入らない」「なんとか着込めたものの、電車内で吊り革をつかむと肩が引っ張られて痛い」といった着心地への不満です。
都内百貨店でパーソナルスタイリングを手がける現役スタッフへの取材によると、試着室で発生するトラブルの約7割が「インナーとアウターの袖周りの干渉」に起因していると明かします。「お客様がアウターを窮屈に感じる際、ワンサイズ上を試着されるケースが多いですが、サイズを上げるだけでは身幅や着丈ばかりが大きくなり、肩先が不自然に余って余計に着膨れしてしまいます。解決すべきはサイズではなく、袖付けのパターンです」と証言しています。
プロの現場で指標とされているのが、「ニット着用時の二の腕実寸に対し、アウターの袖幅が平置きで+3cm〜5cm以上あるか」という基準です。このクリアランス(ゆとり幅)が確保されていないと、布地同士が噛み合い、動作のたびに強い摩擦と窮屈感を生む原因となります。