医療技術の進化スピードは早い。かつて遠隔転移を伴う大腸癌ステージ4といえば、緩和ケアへシフトする時期の早さが取り沙汰されることも少なくなった。だが今、がん遺伝子パネル検査の標準化と次世代の分子標的薬、さらには個別化された免疫療法が現場に組み込まれたことで、治療戦略は大きく様変わりしている。
肝臓や肺への転移があっても、有効な薬物療法で腫瘍を縮小させた後に外科的切除へ持ち込む「コンバージョン手術」の成功率が向上。これにより、以前なら切除不能とされた症例でも根治を目指せるケースが増加した。「ステージ4だから終わり」ではなく、「どうやって長期間コントロールし、生活の質(QOL)を保ちながら社会復帰するか」という議論が本流になっている。