祇園の喧騒が眠りについたままの早朝6時。暖簾をくぐると、焙煎されたほうじ茶と古い木造建築特有の香りが鼻をくすぐる。かつて観光公害に頭を痛めた東山区の路地では、早朝の時間帯に特化した完全予約制の喫茶サロンが話題を集めている。
滞在時間は1時間限定。静けさを維持するため、同時間帯の入店はわずか4名までに絞られる。「朝の京都の空気は、どの時間帯よりも美しい」と語るオーナーの意図通り、訪れる人々は庭園の苔に落ちる朝露を眺めながら、淹れたての日本茶を味わう。観光のハブとしてではなく、精神を整えるための「瞑想の場」としての機能が評価されているのだ。