現役引退後、桑田氏は早稲田大学大学院スポーツ科学研究科修士課程に進学し、首席で修了しました。長年野球界に蔓延していた「水を飲むな」「倒れるまで走れ」といった非科学的な根性論を理論的に否定し、客観的データに基づいた指導法の構築を提唱したのです。
桑田氏の指導論の真髄は、従来の「心・技・体」という優先順位を疑い、「体・技・心」の順序こそが正しいと説く点にあります。十分な体力と休養(体)があり、正しい技術(技)を身につけることで、初めてプレッシャーに負けない強いメンタル(心)が生まれるという論理です。
「失敗と書いて経験と読む」「努力は必ず報われるとは限らないが、正しい努力は裏切らない」といった数々の名言は、スポーツ界にとどまらずビジネスや自己啓発の領域でも広く引用され、今なお強い説得力を持っています。