手作りシフォンケーキで最も多いトラブルが、焼き上がりの「底上げ(底に空洞ができる)」や「焼き縮み(冷ますと極端にしぼむ)」です。これらの現象には明確な物理的理由が存在します。
底上げの主な原因は、卵黄生地とメレンゲの乳化不足による水分の分離、または型へ流し込んだ際の大きな空気残りやオーブンの下火不足です。一方、焼き縮みは焼き時間不足による生地強度の不足や、焼き上がり直後の「ショック(型ごと台に軽く落として蒸気を抜く作業)」の欠落、逆さまでの冷却時間が足りないことによって引き起こされます。
また、焼き上がった後の「型外し」も仕上がりを左右する重要な工程です。無理にナイフを差し込むと断面がボロボロになりがちですが、生地の弾力を信じて手のひら全体で生地の側面を内側に優しく押し込む「手外し」をマスターすれば、美しい焼き色と滑らかなエッジを保ったまま綺麗に取り外すことが可能です。