『海街diary』の世界観を深く味わうための巡礼ルートは、極楽寺駅から極楽寺坂切通し、そして由比ヶ浜・材木座方面へと続く。四姉妹が暮らしたあの趣深い日本家屋は、極楽寺周辺の閑静な住宅街に実在する個人邸だ。今も大切に暮らされている場所であるため敷地外からそっとその風情を感じるにとどめるのがマナーだが、庭に佇む梅の木を思わせる緑や木造建築の重厚な佇まいは、近隣を歩くだけでも十分に伝わってくる。
古民家周辺を散策した後は、作中で登場人物たちの憩いの場となった飲食店のモデルやロケ地へ足を伸ばしたい。すずが名物の「しらすトースト」を頬張った喫茶店のモデルとなったカフェや、歴史ある和菓子舗「力餅家」は外せないスポットだ。権五郎神社のすぐそばにある力餅家では、映画にも登場した素朴な餡の甘みが舌を喜ばせる。さらに、路地裏に佇む隠れ家カフェに立ち寄れば、自家製のシロップや地場野菜を使った滋味あふれる料理が、劇中で四姉妹が囲んだ食卓の温もりを思い出させてくれる。