『魔女の宅急便』の企画が本格的に始動した1988年5月、宮崎駿監督をはじめとする主要スタッフは海外ロケハンへと出発しました。その目的地こそがスウェーデンでした。
宮崎監督はかつて『長くつ下のピッピ』のアニメ化企画のためにスウェーデンを訪れた経験があり、その際に目にした北欧の古い街並みや石畳の美しさに強い印象を抱いていました。この記憶が『魔女の宅急便』の構想段階で再び呼び起こされ、ロケ地取材へとつながったのです。
ストックホルムの歴史ある旧市街「ガムラスタン」の入り組んだ路地や重厚な石造りの建物、そして世界遺産でもあるゴトランド島のヴィスビューに残る中世の城壁とバラに彩られた石畳の坂道。これら現地でスケッチされた風景が、キキがほうきに乗って飛び交うコリコの街の骨格として綿密に落とし込まれました。