音楽的な観点から見ても、サライ(楽曲)の完成度は極めて高い。加山雄三の骨太で温かみのあるメロディラインと、谷村新司による詩情豊かな言葉のセレクト。二人の巨匠が融合させたエッセンスは、J-POPの王道とも言える普遍性を備えている。誰もが一度聴けば口ずさめる親しみやすいコード進行でありながら、心の琴線に触れる哀愁が絶妙なバランスで同居しているのだ。
子供から高齢者まで、誰もが声を揃えて歌える合唱曲としての機能美。この楽曲が持つ圧倒的な包容力こそが、毎年のチャリティー番組のクライマックスを神聖なものへと昇華させている。SNS全盛の今であっても、サビの一節が響くだけで日本中の空気が一瞬で共有されるパワーは健在だ。