高円寺とサブカルチャーの結びつきを語るうえで、この街で生まれ育ち、あるいはこの街に惹かれて表現活動を続けた先人たちの存在は外せない。北口の「高円寺純情商店街」の由来となった直木賞作家・ねじめ正一氏の文学的ルーツもさることながら、南口のライブハウス群から世に出たロックバンド「筋肉少女帯」の大槻ケンヂ氏が描くアンダーグラウンドな空気感は、今も高円寺南の裏通りに息づいている。
ミニシアターや小劇場、個性的なZINEを並べる個人書店、そして夜な夜なミュージシャンや劇団員が集う小さな酒場。ネット上でバズを生むことだけが目的化しがちな現代において、失敗や未完成を寛容に受け止め、実験的な表現を後押しする土壌がここには残されている。