福助の舞台復帰が叶い、歌舞伎座の舞台で再び親子が並んだ瞬間の割れんばかりの拍手は、今なお劇場に集う人々の記憶に新しい。身体的な制限を抱えながらも、舞台に立った瞬間に発せられる福助の圧倒的なオーラ。それに寄り添い、しっかりと受け止める児太郎の姿は、観客の心を揺さぶった。
共演を重ねるにつれ、二人の関係性は「守られる父と支える子」から「互いの芸をぶつけ合う高みでの共演者」へと変化を遂げていく。福助の存在感が作品の骨格を支え、児太郎のみずみずしくも芯のある演技が舞台に躍動感を与える。二人が交わす目線には、長年の苦難を乗り越えてきた者同士にしか分からぬ静かな信頼が漂っていた。