気候変動とジェンダー観の変化は、私立小学校の制服にも変革を迫っている。東京私立初等学校協会に加盟する各校でも、夏季の熱中症対策は喫緊の課題だ。通気性と吸水速乾性に優れたハイテク素材のポロシャツを夏服として導入する学校や、盛夏時のノーネクタイ・ノーベストを推奨する動きが急速に広がっている。
スクールユニフォーム業界全体が推し進める女子向けスラックスの選択肢拡大も、小学校段階へと波及し始めた。防寒性や防犯性、動きやすさを理由にスラックスを選ぶ家庭は着実に増えている。
重厚なウールサージの伝統を守りつつ、猛暑に対応する機能性素材をどう共存させるか。あるいは性別にとらわれない選択肢をどう設計するか。各校のアイデンティティを保ちながら進めるこのバランス調整こそ、現代の制服改革における最大の焦点だ。