「牛乳に相談だ。」のCMシリーズは、約5年間の放映期間中に10作を超えるバリエーションが制作され、そのいずれもが視聴者の予想の斜め上を行く展開で話題を呼びました。中でも歴代屈指の傑作として現在も語り草となっているのが「バスケ編」と「ライオン編」です。
「バスケ編」では、「背が伸びればバスケでヒーローになれるかも」と思い立ち、熱心に牛乳を飲み続けた男子中学生の顛末が描かれます。迎えた試合本番、彼は確かに驚異的な高身長へと成長を遂げたものの、なんと頭部が体育館の天井に深々と突き刺さってしまい身動きが取れなくなります。足元に転がってきたボールを前に「相談相手を間違えたかも。」という哀愁漂うテロップが入るこの作品は、願望の斜め上をいくブラックユーモアでお茶の間を大爆笑させました。
また「ライオン編」では、サバンナで猛獣のライオンに追い詰められた探検家が登場します。絶体絶命の危機に瀕し、腰に下げていた牛乳を一口飲んだ瞬間、探検家の身体能力が覚醒する……と思いきや、獰猛なはずのライオンが猫のようにじゃれついてきて膝の上でゴロゴロと甘え始めるという、圧倒的な脱力オチが展開されました。
これらの作品群を支えた出演者・キャスト陣には、当時若手女優として注目を集め始めていた寺田有希(ラブレター編など)をはじめ、リアクションの巧みな舞台俳優や個性派エキストラが多数起用されました。彼らのシリアスな演技とナンセンスな世界観のギャップ、そして「♪牛乳に相談だ〜」という脱力感あふれるサウンドロゴが見事な調和を生み出したのです。
広告界からの評価も極めて高く、一般社団法人全日本シーエム放送連盟が主催する国内最高峰の広告賞「ACC CMフェスティバル」において、2006年のテレビCM部門「総務大臣賞/ACCグランプリ」を受賞。公共性の高い第一次産業のプロモーションが同賞の最高峰に輝いたことは、日本の広告史に残る快挙として記録されています。