インターネット上の掲示板やSNSでは、孫正義氏の自宅について事実と異なる情報が散見されます。代表的な2つの誤解を正しておきましょう。
第1の誤解は、「白金台と麻布永坂町、どちらか一方はすでに売却されたのではないか」という言説です。登記記録や関係筋の動向を追跡すると、孫氏は双方の土地を手放しておらず、それぞれ全く異なる目的で保有し続けています。白金台は家族とともに安らぎを得るプライベートレジデンス、麻布永坂町は公式・非公式の財界人会合やグループ幹部との戦略セッションを行う迎賓館として、巧みに使い分けられています。
第2の誤解は、「これほどの豪邸群は単なる成金趣味の産物ではないか」という皮肉混じりの見方です。しかし、米国のウッドサイド邸や麻布の迎賓施設の実態を知るビジネス関係者は、口を揃えて「これらは投資を成功させるための戦略設備である」と指摘します。
数百億〜数兆円規模のディールが日常茶飯事であるソフトバンク・ビジョン・ファンドの世界では、ホテルの宴会場や貸し会議室で重大な投資契約を結ぶことはありません。国家元首やテック企業のカリスマ創業者を自宅に招き、完全な秘匿空間で手料理やワインを振る舞い、地下施設でリラックスしながらゴルフの球を打つ——。そうした「逃げ場のない親密な時間」を共有することこそが、世界最強の投資家ネットワークを構築するための最大の武器となっているのです。