幽霊や妖怪の恐怖以上に、人間そのものの悪意や狂気を描いた「イヤミス(読んだ後に嫌な気分になるミステリー)」の人気も衰えない。特に2026年の最新トレンドは、SNS上の承認欲求や、リモート時代の孤独、家族間の見えない粘着質な依存を描いた作品だ。
「自分の隣にいる人が、実はこんな恐ろしい思考を持っているかもしれない」という疑念。身近な日常がガラガラと崩れ落ちていく絶望感。幽霊ならお札で防げるかもしれないが、人間の歪んだ愛や憎しみからは逃げ場がない。読者の胃を痛くさせながらもページをめくらせる手が止まらないのは、そこに人間の本質が暴かれているからだ。