食後の腹痛は胃炎か?Sma症候群の診断基準と見逃せないCt数値

食後の腹痛は胃炎か?Sma症候群の診断基準と見逃せないCt数値

食後の腹痛は胃炎か?Sma症候群の診断基準と見逃せないCt数値とは一体何なのか? 専門的な分析を丁寧に紐解いて紹介します。

「食後に胃がパンパンに張り裂けそうになり、吐き戻してしまう」「横になると痛みが悪化する」――。このような訴えで近隣のクリニックを受診しても、通常の胃カメラ検査では「軽度の胃炎」や「異常なし」と判定されるケースが多発しています。しかし、その苦痛の真因は胃そのものではなく、胃の先にある十二指腸の物理的閉塞、すなわち上腸間膜動脈症候群(別名:ウィルキー症候群、英名:Superior Mesenteric Artery syndrome)にある可能性が疑われます。

人間の体内では、背骨の前を走る太い「腹部大動脈」から、小腸などに血液を送る「上腸間膜動脈(SMA)」が斜め前方へと枝分かれしています。この2本の動脈が作る狭い隙間を、消化管である十二指腸水平部が横切るように走行しています。通常であれば、動脈と十二指腸の間には十分な内臓脂肪が存在し、血管が直接腸管を圧迫しないよう「クッション」の役目を果たしています。

ところが、何らかのきっかけでこの脂肪クッションが急激に失われると、十二指腸水平部が2本の硬い動脈に前後から挟み撃ちにされ、まるで万力で締め上げられたかのように圧迫・閉塞してしまいます。これが十二指腸水平部圧迫による通過障害です。食べ物が十二指腸を通過できず胃や十二指腸球部に逆流・停滞するため、食後の激しい腹痛、膨満感、胆汁を含んだ嘔吐が引き起こされます。

医療現場において見逃されやすい最大の要因は、内視鏡を挿入しても、空気で消化管が内側から膨らむため閉塞部位が一時的に開いて見え、明らかな粘膜病変が観察されない点にあります。問診での臨床症状と、後述する画像診断基準を正確に組み合わせることこそが、確定診断への唯一の道筋です。

吉田 誠
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吉田 誠

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