1997年7月、京都の飲食店内での逮捕。日本中が「7つの顔を持つ女」の身柄確保に沸き立った。しかし、その熱狂の裏で、長男をはじめとする家族への激しい世間のバッシングが始まった。
逃亡を手助けしたのではないかという不当な疑念や、メディアによる連日の過熱取材。加害者の身内というだけで、勤め先を追われ、住む場所も失う。罪を犯したのは母親であり、息子自身もまた彼女の逃亡に巻き込まれた被害者としての側面を持っていたにもかかわらず、社会の視線は容赦なかった。言葉を失い、身を潜める以外の選択肢は残されていなかった。