冬はつとめての意味とは?なぜ早朝なのか清少納言の美意識と品詞分解

冬はつとめての意味とは?なぜ早朝なのか清少納言の美意識と品詞分解

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冒頭の「冬はつとめて」という一節は、現代語に訳すと「冬は早朝が良い、冬は何といっても早朝が趣深い」という意味になります。古文において「つとめて」の意味は主として2つあり、1つは「早朝・朝早く」、もう1つは「前日の出来事を受けた翌朝」です。『枕草子第一段』で用いられているのは前者の「早朝」であり、時間帯としては夜が明けた直後、まだ日が昇りきらない薄暗い早朝を指しています。

では、なぜ清少納言は暖かな昼や情緒ある夕暮れではなく、あえて厳しい冷え込みにさらされる早朝をベストな時間として選んだのでしょうか。その冬はつとめての理由は、平安貴族の生活様式と清少納言独自の鋭敏なエッジの利いた感性にあります。当時の貴族邸宅である寝殿造りは、壁が少なく吹きさらしに近い開放的な構造をしており、冬の寒さは骨身に染みる過酷なものでした。しかし、清少納言はその寒さを単なる苦痛として退けるのではなく、寒気によって研ぎ澄まされる空気の張り詰めた緊張感、そしてその寒さに立ち向かう人々の活動的な動きにこそ美学を見出しました。

「春はあけぼの」でほのぼのとした夜明けの色彩美を称え、「夏は夜」で闇夜の蛍や雨の情趣を愛で、「秋は夕暮れ」で茜色の空を渡る烏の哀愁を描いた彼女は、冬においては「視覚的な美」にとどまらず、「触覚的な寒さ」と「人々の生活の躍動」を組み合わせるという斬新な切り口を提示したのです。

山口 彩花
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山口 彩花

グルメと旅を愛するフリーライター。全国各地の隠れた魅力を独自の視点から紹介します。