レジに並ぶ親子連れの観察から、もうひとつの興味深い動態が見えてくる。1980年代から2000年代に青い鳥文庫を読み漁って育った世代が、いまや小学生の親になっているという事実だ。
「自分が子どもの頃に読んで人生を変えられたレーベルだから、子どもが欲しがれば無条件で財布の紐が緩む」と語る30代後半の父親がいる。漫画やゲームへの課金には眉をひそめる親たちも、青い鳥文庫のロゴを見れば安心感を抱き、喜んで買い与える。家庭内における検閲をやすやすとパスするフリーパス。親にとっては「良質な読書体験」の継承であり、子どもにとっては「公認で手に入るエンタメ」であるという利害の一致が、強固な購買ループを形成している。