ドラえもんの可愛らしさは、練り込まれたSFファンタジー設定によってさらに奥深さを増す。ネズミに耳をかじられて黄色から青色に変色してしまったという有名なエピソードをはじめ、ペタリハンドと呼ばれる何でも吸着する丸い手、体重129.3キロという重量感など、設定の細部にどこかクスリと笑えるユーモアが散りばめられている。
藤子・F・不二雄が提唱した「SF(少し不思議)」の精神は、最先端の未来技術と日常の生活感を絶妙なバランスで結びつけた。万能の神ではないからこそ、泣き笑いしながらのび太と肩を組んで歩くドラえもんの背中に、人々はたまらない愛しさを覚えるのだ。