日本財託グループの最大のセールスポイントである「入居率99%超」。この数字の妥当性を巡り、投資家の間では日本財託の客付け力と入居率に関する議論が絶えません。この驚異的な数字は誇大広告なのか、それとも実態を伴った実績なのかを検証します。
結論から言えば、この入居率は計算式をごまかした数字ではなく、厳密な管理戸数と入居戸数の比率から算出された客観的数値です。ただし、そこには明確な「物件選定の前提条件」が存在します。日本財託が取り扱う物件は、東京23区内・駅徒歩10分以内・新耐震基準以降の中古ワンルームマンションが中心です。単身者需要が恒常的に供給を上回る立地に限定しているからこそ、強気な数字が維持できています。
同社の日本財託の空室対策の実態を掘り下げると、以下の3つの仕掛けが機能しています。
- 広告料(AD)の弾力的な運用:閑散期にはオーナーに対して的確なインセンティブ設定を提案し、仲介店舗が最優先で案内する動機を作る。
- 内装クオリティの平準化:退去後のクリーニング基準を統一し、内見時の成約率を極限まで引き上げる。
- 専任リーシングチームの仲介店舗巡回:都内数百の賃貸仲介業者へ直接足を運び、空室情報を手渡しでプッシュする泥臭い営業力。
ここで初心者が陥りがちな落とし穴が、日本財託のサブリースのメリット・デメリットの混同です。同社でも一括借上プラン(サブリース)を提供していますが、入居率99%を叩き出せる立地であれば、相場家賃から10%〜15%の手数料を差し引かれるサブリースを結ぶ経済的合理性は極めて薄いと言えます。空室リスクを過度に恐れてサブリースを結んでしまうと、本来得られるはずのインフレ連動の家賃増額メリットを放棄することになりかねません。