実際にこの挑戦を始めた者が最初に実感するのは、鏡に映るシルエットの変化だ。特に運動習慣のなかった人物の場合、最初の数週間で大胸筋の上部から中部にかけて明らかな張りが生まれ、上腕三頭筋や三角筋前部にもカットが入り始める。
しかし、運動生理学の視点から見れば、この初期の変化の多くは「筋肥大」そのものというよりも、筋肉内の血流増加に伴うパンプアップと、神経系の適応による動作効率化に起因している。自重のみで行う腕立て伏せは、自重の約60〜70%の負荷しか胸にかからないため、一定のレベルに達すると負荷不足に陥り、筋肥大のグラフは緩やかな頭打ちを迎える。