本作の魅力の核にあるのは、やはり主演の二人による圧倒的な演技力だ。豊川悦司が演じる晃次の、内に秘めた孤独と優しさ。そして常盤貴子が演じる紘子の、ひたむきで時に感情を爆発させるリアルな姿。彼らのやり取りには、台本を超えた生々しい感情のぶつかり合いがある。
特に、お互いの気持ちがすれ違うシーンでの表情の演技は圧巻だ。言葉が通じないもどかしさ、それでも伝えたいという執念。それらが画面越しに熱量となって伝わってくる。CGや派手な演出に頼らない、人間と人間が向き合うことでしか生まれないドラマの力強さが、ここにはある。