痛みの原因を正しく見極める上で、患者自身が留置されていた「管の正体」を正確に把握しておくことが不可欠です。医療現場では、尿道口から膀胱へ挿入する「尿道カテーテル(バルーンカテーテル)」と、膀胱から尿管を経て腎臓まで届く「尿管ステント(尿管カテーテル)」が明確に区別されていますが、一般にはどちらも一括りに「尿の管」と呼ばれ、混同されるケースが目立ちます。
まず、一般的な手術中・術後に尿を溜めるために使われるのはバルーンカテーテルです。先端の風船を膀胱内で膨らませて固定するため、抜去時に風船をしぼませて引き抜く際、尿道粘膜が擦れて擦過傷が生じます。これが尿道カテーテル抜いた後の排尿痛の主因です。
一方、尿路結石の治療や尿管狭窄の手術で用いられるのが尿管ステントです。これは細い管の両端がピグテール状(豚のしっぽのようなカール)になっており、腎盂と膀胱の内壁に直接接触しています。そのため、抜去後には尿道痛だけでなく、尿管の蠕動運動に伴う痙攣性の痛み、すなわち尿管カテーテル抜いた後腹痛や側腹部・背部の鈍痛が引き起こされます。
ステント抜去後は、尿が腎臓へ一時的に逆流したり尿管が痙攣したりすることで、特有の差し込むような背部痛を生じることがあります。こうした尿管ステント抜去後の違和感に対しては、過度な我慢を避け、処方されたアセトアミノフェンやロキソプロフェンナトリウムといった尿管ステント抜去後の痛み止め薬を頓用することが推奨されます。