インターネット上のQ&AサイトやSNS上では、特に中学・高校の体育授業が始まる毎年春から秋にかけて、柔道着の取り扱いに関する切実な相談が多数投稿されています。
大手コミュニティサイトに寄せられた中学1年生の保護者による投稿には、現場のリアルな困惑が表れています。
「息子の学校で柔道の授業が始まりましたが、指定のリュックに柔道着を入れるとタブレットが入らず、無理やり押し込んで画面に圧迫痕がつかないかヒヤヒヤしています。本人はたたみ方が分からず、丸めて押し込んでいるようで帯も行方不明になりかけました」(都内在住・40代母親の手記より)
また、中学校の保健体育科教員を対象とした聞き取り調査では、次のような指導上の課題が浮き彫りになっています。
「年間にわずか10時間前後しか行われない武道の授業では、生徒が柔道着の脱ぎ着やたたみ方に慣れる前に単元が終わってしまいます。授業終了後の10分休みの間に着替えと道着の片付けを完了させなければならず、結果としてロッカーに丸めて突っ込む生徒が後を絶ちません。正しい手順を1回でも論理的に教えれば、生徒たちは驚くほど手際よくコンパクトに片付けられるようになります」。
帯をきれいに巻けない生徒の多くは、「帯を結ぶこと」自体を難解に感じています。しかし、腰に巻くときの結び方と、道着をまとめる際の結び方は共通して「コマ結び」です。片付けの手順を通じて帯の扱いに習熟することは、授業中の着崩れを防ぐ基礎技術の習得にも直結しています。