ネット上では「中高生が親に隠れて無断で整形している」「ルッキズムに毒された若者の暴走」といったセンセーショナルな言説が散見されます。しかし、実際の臨床現場で起きている事態は真逆です。
現在、未成年者が美容クリニックを訪れる際、母親が同伴して積極的に後押しするケースが珍しくありません。現在の40代〜50代の母親世代自身が、若い頃に脱毛やアイプチ、プチ整形を経験している世代です。「自分が思春期にアイプチで苦労したから、娘には高校合格祝いや卒業記念として二重埋没法を受けさせてあげたい」という、いわば教育投資や歯科矯正と同じ感覚で我が子の背中を押す親が急増しています。
一方、中高年層の動機についても「モテたい」「若く見られたい」という他者目線ではなく、「鏡を見たときの自己満足」が調査の最多を占めています。眼瞼下垂(がんけんかすい)によって視野が狭まり、目つきが悪く見えるのを防ぐ眉下切開などは、健康保険適用内外の議論を含め、生活の質(QOL)を改善する正当な医療行為として受容されています。