日本全国に存在する歯学部は、国公立大学12校(国立11校・公立1校)と私立大学17校の計29校に厳しく限定されています。予備校各社(河合塾・駿台予備学校・ベネッセコーポレーション等)が公表した2026年度入試予測データを統合・精査すると、明確なピラミッド構造が浮き彫りになります。
国公立大学グループの頂点に君臨するのは、旧東京医科歯科大学と東京工業大学の統合によって誕生した東京科学大学歯学部(偏差値65.0〜67.5水準)と、西の名門である大阪大学歯学部です。これらに東北大学、九州大学、北海道大学といった旧帝国大学群が偏差値62.5〜65.0のハイレベルで続き、地方国立大(新潟大学、岡山大学、広島大学、徳島大学、鹿児島大学、長崎大学)および唯一の公立校である九州歯科大学も偏差値57.5〜60.0前後に収縮しています。共通テストで8割以上の得点率がボーダーとなる国公立歯学部は、依然として理系最難関グループの一角を占めています。
一方、私立大学歯学部の序列は極めて複雑です。トップに位置するのは、創立130年を超える伝統と圧倒的な国家試験合格実績を誇る東京歯科大学(偏差値57.5〜60.0)。これに昭和大学歯学部や日本歯科大学(生命歯学部)、大阪歯科大学が続き、中堅上位グループを形成しています。しかし、その下位には偏差値40.0〜45.0前後の大学群が存在し、一部の地方私立歯学部では募集定員に対して志願者が集まりにくく、実質倍率が1倍台前半にとどまる「ボーダーフリー(BF)近傍」の大学も散見されます。この上下の極端な落差こそが、近年の歯学部入試を象徴する最大の特徴です。