血管と薄皮を取り除いて酒浸しを終えたあん肝は、ねっとりとした美しい円柱形に成形して火を入れます。ここで仕上がりの見た目と食感を左右するのが、あん肝アルミホイルの綺麗な巻き方です。
作業台に広げたラップ(耐熱性のあるもの)の上に水気を拭き取ったあん肝を隙間なく並べ、空気が入らないよう手前から奥へきつく巻き込みます。両端をキャンディのように固く絞り、円柱状に整えた後、さらにその上からアルミホイルで2重にしっかりと巻き直します。ホイルの端もしっかりねじって密閉度を高めたら、竹串や爪楊枝で表面に5〜6カ所の小さな空気穴を開けます。このわずかな穴が、加熱時に内部で膨張した蒸気と余分な脂を逃がし、中身が破裂して形が崩れるのを防ぐ重要な役割を果たします。
成形が完了したら、熱の通し方に移ります。プロが厳密に管理するあん肝の蒸し時間と火加減の基本は、「湯気が立ち上る蒸し器で、弱火〜とろ火を維持して20〜25分」です。強火で加熱すると、内部のタンパク質が急激に凝固して水分と脂が分離し、「ス」が入ってボソボソとした食感に劣化してしまいます。
また、厚生労働省のガイドラインにもある通り、海産哺乳類や底生魚の内臓には寄生虫のリスクが伴います。あん肝のアニサキス対策と加熱においては、中心温度が70℃以上、安全を期すなら「75℃以上で1分間以上の加熱」を確実に満たさなければなりません。20分蒸し上げた後、竹串を中心まで刺して5秒キープし、下唇に当てて熱さを感じるか、あるいは串を抜いた跡から透明な脂のみが出てくれば芯まで火が通った合図です。濁った赤いドリップが出る場合は、弱火でさらに3〜5分追加加熱を行ってください。