インターネット上やSNSでは、「スマホを持っていて衣服も着ているのに、どこが貧困なのか」といった冷淡な意見が散見されます。これは「絶対的貧困」と「相対的貧困」の本質的な違いが正しく理解されていないことに起因します。
絶対的貧困とは、1日あたり2.15ドル未満で暮らすような、生命維持のための最低限の食糧や住居、水が確保できない極限状態を指します。一方、相対的貧困とは、「その社会において標準的とされる文化的・社会的な営みに参加する機会が著しく奪われている状態」を指します。
現代の日本において相対的貧困に直面している人々は、以下のような「見えない剥奪」に苦しんでいます。
- 教育・体験の剥奪:修学旅行の積立金が払えない、塾や部活動を諦める、家にパソコンがなくオンライン学習ができない。
- 健康・栄養の剥奪:炭水化物中心の偏った食事で栄養が偏る、保険証はあっても窓口負担が払えず虫歯や持病を放置する。
- 社会関係の剥奪:友人の誘いを金銭的理由ですべて断り、次第に孤立して社会との接点を失っていく。
外見上はファストファッションを身にまとい、スマートフォンを所持しているため周囲からは困窮が見えません。しかし、情報収集や最低限の連絡に必須な端末代を支払うために日々の食費を削っているのが現場の偽らざる姿です。