かつて粉瘤の治療といえば、皮膚を紡錘形に大きく切り開いて縫合する大がかりな手術が主流だった。しかし、近年の皮膚外科手術は長足の進歩を遂げている。現在、第一選択として定着しているのが、パンチ状の特殊な器具を用いて小さな穴をあける「くり抜き法(ほぞ抜き法)」だ。
この手法では、わずか数ミリの小さな穴から内容物を絞り出した後、しぼんだ袋の組織を精密ピンセットで慎重に外へ引き抜いて完全除去する。手術時間は数分から15分程度で終わり、傷口が極めて小さいため日帰りで完了する。術後の傷痕も時間の経過とともにほとんど目立たなくなるため、顔面や露出部のできものに悩む患者にとっても心理的ハードルが大幅に下がっている。