菅田将暉の俳優人生は、まさに電光石火の幕開けでした。2008年に開催された「第21回ジュノン・スーパーボーイ・コンテスト」でファイナリストに選出された直後、所属事務所(トップコート)の面談を経て東映のオーディションに参加。その翌日には『仮面ライダーW』の主演に大抜擢されるという、異例のスピード決定劇でした。
仮面ライダーWにおける菅田将暉のデビュー経緯を振り返ると、彼が演じたのは謎の青年・フィリップ役。地球上のあらゆる事象を網羅した「星の本棚」にアクセスできる知の結晶でありながら、人間的な感情が希薄な浮世離れしたキャラクターです。当時、菅田将暉の仮面ライダー当時の年齢はわずか16歳。平成仮面ライダーシリーズにおける単独・ダブル主演を含めても、当時の史上最年少ライダーとしての抜擢は業界内外に大きな衝撃を与えました。
高校生活を大阪で送っていた普通の少年が、着の身着のままで東京へ単身上京。演技経験が皆無の状態から、早朝4時起きが常態化する過酷な特撮現場へと放り込まれたプレッシャーは想像を絶するものがありました。演出陣からの厳しい怒号が飛び交う撮影所において、感情を殺したミステリアスな少年という難役を成立させるため、彼は台本が擦り切れるまで読み込み、現場の隅で立ち尽くす日々を送っていたと当時の関係者は述懐しています。