平成も後半に入ると、ドラマの潮流は大きな転換期を迎える。甘い恋愛模様から、組織の理不尽に立ち向かうエンターテインメントへのシフトだ。その頂点に君臨したのが、TBSテレビが制作した『半沢直樹』(2013年)である。
「倍返しだ!」の決め台詞とともに社会現象を巻き起こし、平成のテレビドラマ業界における最高視聴率42.2%(関東地区・最終話)という金字塔を打ち立てた。バブル入行組の銀行員が組織の闇に立ち向かい、権力者を追い詰めていく痛快な構造は、長引く景気低迷や組織の抑圧に悩む現代人の心を激しく揺さぶった。
圧倒的な緊張感を演出した迫真の顔芸や濃密な台詞劇は、劇場の舞台を思わせる熱量を生み出し、日本のテレビ史に深くその名を刻んだ。