東海テレビが制作し大きな議論を呼んだ映画『ヤクザと憲法』は、反社会的勢力と位置づけられた人々の「人権」というタブーに光をあてた。日本国憲法が保障する基本的人権は、暴力団員にも適用されるべきなのか。それとも社会防衛のために排除は正当化されるのか。
組員の子供が幼稚園への入園を拒否されたり、家族が行政サービスを受けられなかったりする事例は少なくない。社会からの徹底的な排除が、かえって彼らを合法的な社会へ復帰させる道を閉ざしているという指摘もある。排除の論理が進みきった先にあるのは、秩序ある平和なのか、それとも不可視化されたさらなる凶悪犯罪の拡散なのか。いま、社会全体がこの重い問いに向き合わされている。