街中でよく見かけるようになったのが、一見するとハイブランドのシンプルなレザーバッグだ。しかし、内側のジッパーを引くと一転、緻密に配置された缶バッジやトレーディングカードが現れる。いわゆる「ステルス痛バッグ」の流行である。
社会人が職場や日常で悪目立ちすることなく推し活を楽しみたいというニーズに応えたこの商品は、大手アパレルブランドが相次いで参入したことで市場が急拡大した。「オン」の時間は上品なビジネスバッグとして機能し、「オフ」のイベント現場ではフラップを裏返すだけで一瞬にして情熱を表現できる。TPOに合わせて仮面を掛け替える現代人の心理を見事に捉えたプロダクトデザインと言える。