1950年4月生まれの坂東玉三郎は、2026年に76歳の年齢を迎えます。一般的には名実ともに引退を意識する年齢ですが、彼の表現欲は衰えるどころか、より純度の高い境地へと達しています。
近年では自らが舞台中央に立ち続けるだけでなく、歌舞伎の演出や後進への大役の伝承、さらには映像配信や朗読劇といった新しいフォーマットへの挑戦も積極的に展開しています。長年の身体酷使による負担を考慮しながらも、舞台に姿を現した瞬間に会場の空気を一変させるオーラは健在です。
妻を持たず、守るべき家庭のしがらみがないからこそ、観客に対して常に「坂東玉三郎という完璧な芸術作品」であり続けることができる。70代半ばを迎えた今もなお、その生き様は歌舞伎ファンのみならず、自立して生きるすべての人々に深い感銘を与え続けています。