2000年代初頭、毒舌と観察眼を武器にしたショートコントで一世を風靡したかつての爆笑王が、なぜ地方政治の渦中に飛び込むことになったのか。その転身は、多くのメディアや大衆にとって予想外の劇的なシナリオだった。しかし、彼の知人や長年彼を追ってきた関係者によれば、その根底には長年培われた社会批判の眼差しと、自らの生い立ちに由来する問題意識が横たわっていたという。
選挙戦で見せた地上戦の戦術は極めて緻密だった。タレントとしての知名度に頼り切るのではなく、朝の駅頭に立ち続けて市民の生の声に耳を傾け、自らの言葉で街頭演説を積み重ねた。その結果として得たトップ当選という数字は、単なる知名度投票ではなく、既存政治の閉塞感に嫌気が差していた層の受け皿となった証左である。