だが、手放しの自由には必ず自己責任の裏返しが伴う。子どもがいない生活において、最もシビアな課題として浮上するのが老後資金の確保と長期的なライフプランニングだ。親族による介護や身の回りのサポートを期待できない以上、医療費や介護施設の利用費用、住まいの確保に至るまで、あらゆるリスクを自分自身の資金力と契約でカバーしなければならない。
ファイナンシャルプランナーの試算によれば、子どもがいる世帯に比べて教育費の負担がない分、現役世代の貯蓄率は高くなりやすい。しかし、その余力を安易な消費に回しすぎてしまうと、高齢期における医療費の増大や民間介護サービスの利用コストに対応できなくなるリスクが高まる。綿密なライフプランニングに基づき、公的年金だけに頼らない資産形成を進めることが、後悔しない人生を送るための不可欠な条件となる。