蒙驁の偉業を語る上で絶対に外せないのが、副将として従えた桓騎と王翦の存在だ。元野盗の首領で残忍極まりない奇策を繰り出す桓騎と、王位を狙う野心家と噂され誰もが警戒した王翦。この癖がありすぎる二大天才を、なぜ彼だけが手元に置き、存分に腕を振るわせることができたのか。
答えは、彼の圧倒的な「包容力」と「自己客観化の能力」にある。蒙驁は己の凡庸さを深く自覚していたからこそ、自分にない才能を持つ者を恐怖や猜疑心なしに受け入れることができた。天才たちの異端な発想を咎めず、責任はすべて自らが背負う。この度量の深さこそが、桓騎と王翦という二大巨頭を覚醒させた「師」としての最大の真価なのだ。