「目がすわる」という表現は、もともと酒に酔って視線が一定の場所から動かなくなったり、怒りや強い意志で瞳が一箇所に固定される様子を指していた。国語辞典や日常会話でも、感情が極まった状態や理性が揺らいでいるサインとして扱われてきた歴史がある。
しかし、心理学や認知科学の知見によれば、視線が動かなくなる背景には「脳の処理容量オーバー」が存在するという。過度なストレスや情報過多に直面したとき、脳は視覚情報の入力を制限しようとして眼球運動を意図的に抑制することがある。つまり、本人が自覚していない恐怖や強いテンション、あるいは深い疲労が、眼球の固定という形で表面化しているのだ。