当時のタイムラインは狂乱に近い熱気に包まれていた。1日1話ずつ更新されるごく普通のワニの日常。ラーメンを食べ、友人と笑い、思いを寄せる相手に胸を躍らせる。どこにでもあるような何気ない時間が、画面上の「あと〇日」というカウントダウンによって切なくも尊いものへと変換されていった。
最終回が投稿される直前、SNSのトレンドキーワードは上位から下位までワニ関連の一色に染まった。テレビのニュース番組すら「今日、ワニが死ぬ」と報じる異例の事態。人々は結末を確かめるためにスマホを握りしめ、まるで実在する人物の最期を見守るかのような奇妙な一体感を形成していたのである。