そもそも「身長−110」という標準体重の求め方は、かつてフランスの医師ポール・ブローカが提唱した「ブローカ指数」を簡略化したものだ。身長170cmの人なら60kg、160cmなら50kg。計算があまりにも簡単なため、女性向けファッション誌やダイエット本を中心に「すっきり見える美しさの基準」として長年親しまれてきた。
だが、ここには大きな盲点がある。骨格の太さや筋肉量、年齢による変化が一切考慮されていない点だ。現代のスポーツ科学においては、体重そのものよりも「体組成」が重視される。体重が同じ50kgであっても、筋肉質で引き締まった体と、体脂肪率が高く代謝が落ちている体とでは、見た目も健康リスクもまるで異なるからだ。