バドミントンのラケットを購入した際、木製シャフトの上に巻かれている「元グリップ(シンセティックグリップ)」。部活動の現場や実業団・トッププレイヤーの間では、この元グリップをあえて剥がし、ウレタン素材の「アンダーラップ」を巻き直して太さやクッション性を極限までチューニングする手法が標準化しています。
一方で、初心者や中級者の間では「そもそもアンダーラップを巻く必要性はあるのか」「テーピングやラップフィルムで代用できるのか」「打感はどう変わるのか」といった疑問が絶えません。今回はラケットクラフトと用具開発の現場知見をもとに、アンダーラップを導入する真の目的、太さ調整の黄金比、打感を損なわない巻き方の手順、おすすめ定番ギアから代用品の真偽まで余すところなくレポートします。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】- 要点1:アンダーラップの最大の効果は「ミリ単位の太さ調整」「手首の可動域拡大」「インパクト衝撃の緩和」にある。
- 要点2:元グリップを剥がしてアンダーラップを巻くことで、木製八角形の角(エッジ)を感じ取りやすくなり、指先の繊細なラケットワークが向上する。
- 要点3:医療用テーピングやラップフィルムでの代用は打感の鈍化や重量バランスの崩れを招くため、ヨネックス等の専用品を使用するのが鉄則。
【プロの検証】バドミントンにアンダーラップは本当に必要か?巻く理由と劇的な効果
バドミントンのグリップにおいて、アンダーラップ(緩衝用ウレタンフォーム)の導入が必要とされる理由は、単なる「手の痛みの緩和」にとどまりません。最大の理由は指先感覚の鋭敏化とヘッドスピードの向上にあります。
市販ラケットに標準装備されている元グリップは、厚みが約1.5mm〜1.8mmあり、クッション材と接着テープが一体化しています。この厚みは万人受けする反面、木製グリップの「八角形の稜線(角)」をぼやけさせてしまい、瞬時の面切り替えや微細なフィンガーパワーの伝達を妨げる要因になります。
元グリップを剥がし、薄手のアンダーラップをごく薄く巻いてオーバーグリップを装着すると、グリップ全周を細く設計できます。これにより、指の第一関節と第二関節でラケットを軽く保持できるようになり、インパクト直前の「握り込み」による回内・回外運動の効率が大幅に向上します。さらに、薄手でありながらウレタン特有の微細気泡がシャトルインパクト時の高周波振動をピンポイントで遮断し、手首や肘(テニス肘・バドミントン肘)への負担を軽減する効果を併せ持ちます。
元グリップを剥がす派と残す派の決定的な違い|太さ調整とクッション性の比較
アンダーラップを使用する際、最も意見が分かれるのが「元グリップを残した上から巻くか」「元グリップを完全に剥がしてから木肌に直接巻くか」という選択です。プレイヤーの握力、手のひらのサイズ、求めるショットの質によって最適な選択肢は異なります。
実業団選手や競技志向の学生プレイヤーの約7割以上が「元グリップを剥がす」スタイルを選択しています。元グリップを剥がすことでラケット全体のバランスポイントが約2〜5mmトップヘビー側に移動し、遠心力を利用したスマッシュの威力向上を狙うケースも少なくありません。