シリーズの歴史を振り返ると、男性キャラクターは常に物語のスパイスであり、時にはストーリーの核心を握る鍵でもあった。初期の名作『ふたりはプリキュア』でヒロインたちが淡い恋心を寄せた藤村省吾(藤P先輩)や、『Yes!プリキュア5』で人間態となって日常に溶け込んだココとナッツ。彼らは主人公たちの心の拠り所として重要な存在感を放っていた。
時が経つにつれ、彼らのポジションは「守られる側」から「共に戦うパートナー」へとシフトしていく。『Go!プリンセスプリキュア』のカナタ王子は高潔な騎士道を全うし、『デリシャスパーティ♡プリキュア』の品田拓海は「ブラックペッパー」として自ら戦闘衣装を纏い、プリキュアを危険から救い出した。そして現在、変身能力を持つ男性キャラの系譜は決定的な到達点を迎えている。歴代の代表的な男性キャラクターと変身・戦闘への関わりを追うことで、作品が模索してきた「かっこよさ」の変遷が浮かび上がる。
作品を追うごとに深まる男性キャラのドラマ性。それは、脇役の枠を超えて視聴者の感情を揺さぶり続ける独立したヒーロー列伝に他ならない。