ドラムと作曲を激変させるメトリックモジュレーションの仕組みと極意

ドラムと作曲を激変させるメトリックモジュレーションの仕組みと極意

ドラムと作曲を激変させるメトリックモジュレーションの仕組みと極意にまつわる役立つ知識を詳しく紐解きます。

メトリックモジュレーション(Metric Modulation、テンポモジュレーションとも呼ばれる)は、楽曲の途中でテンポを段階的(アッチェレランドやリタルダンド)に変えるのではなく、特定の音符の音価を共通項として新たなテンポへ跳躍させる音楽技法です。

この概念を体系化したのは、20世紀アメリカの現代音楽作曲家エリオット・カーター(Elliott Carter)です。カーターは、従来の調性音楽における「転調(ピボット・コードを経由して別の調へ移る手法)」のリズム版としてこの理論を確立しました。和声の転調で共通の和音(ピボット)を使うように、リズムの移行において共通の音符(ピボット・ノート)を媒介にすることで、唐突さを排除した有機的なテンポ変化を実現します。

例えば、4拍子・BPM120の楽曲の中で鳴らしていた「4分音符の3連符(1拍半に1回鳴る音)」を、次のセクションの「通常の4分音符(1拍)」として再定義します。聴き手はそれまで聴いていた3連符のパルスに耳が引っ張られているため、テンポがBPM180へと跳躍しても、リズムの連続性を保ったまま自然に新しい時間軸へ没入できる仕組みです。

林 結菜
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林 結菜

エンタメ・カルチャー業界の深掘り取材を得意とし、現場のリアルな声をお伝えします。