佐渡ヶ嶽部屋の稽古場には、早朝から激しいぶつかり稽古の音が響き渡る。指導にあたって最も重んじられているのは、四股やすり足といった愚直なまでの基本動作の繰り返しだ。安易な変化技や奇策に頼らず、体幹を徹底的に鍛え上げ、王道の四つ相撲や力強い押し相撲を体に叩き込むスタイルは、怪我に強い肉体を作り出す根幹となっている。
一方で、昔ながらの精神論一辺倒から脱却し、最新のコンディショニング理論や栄養管理を取り入れた柔軟なアプローチも特徴的だ。弟子一人ひとりの骨格や性格、得意な型を緻密に分析し、個性を最大限に伸ばすアプローチこそが、次々と関取を輩出し続ける強さの秘密にほかならない。