殻付きホタテを手に入れた際、最も重要な安全管理が「ウロ」の除去です。ウロとは、貝柱の脇に付着している黒緑色の内臓器官(中腸腺)を指します。
水産庁および地方自治体の衛生検査データでも示されている通り、ホタテは有毒プランクトンを捕食することで中腸腺に麻痺性貝毒や下痢性貝毒、さらには海水由来の重金属(カドミウム)を蓄積しやすい性質を持っています。これらの毒素は一般的な加熱調理では分解されません。「焼けば毒が消える」というのは極めて危険な誤解であり、生食・加熱を問わずウロは必ず切り取って廃棄しなければなりません。
生きた活ホタテを安全かつ綺麗にさばくには、高価な貝剥き専用ナイフを用意する必要はありません。家庭にある金属製の食事用スプーンや洋食ナイフで十分に対応可能です。
ホタテの殻の隙間にスプーンの背側を差し込み、平らな殻の内面にぴったり沿わせるようにして滑らせます。貝柱と殻の接合部をこそぎ落とすように切り離すと、パカッと自然に殻が開きます。上殻を外したら、丸い殻に残った身の周囲にある黒いウロを手またはキッチンバサミでつまんで丁寧に取り除き、流水で砂やぬめりを素早く洗い流してください。