物語は、羂索(けんじゃく)が仕掛けた未曾有の呪術テロ「死滅回游」が全国各地で進行する中、京都校の元筆頭格である加茂憲紀の内省から幕を開けます。加茂家の正統な後継者として育てられながらも、突如として復活した羂索によって一族の実権を奪われ、居場所を完全に喪失した憲紀。自らの存在意義を見失いかけた彼の前に現れたのが、単身で禪院家を壊滅させた禪院真希でした。
真希は呪力を完全に脱ぎ捨てた「天与呪縛」の完成体として、結界の認識をすり抜ける特異体質を獲得していました。二人が桜島結界内で合流し、現状の把握と死滅回游平定に向けた戦略を交わそうとした矢先、上空の大気が異常な歪みを見せます。
突如として上空から凄まじい衝撃波とともに急降下してきたのは、幼虫のような異形と無数の節足、そしてジェットエンジンのごとき推進力を備えた未知の巨大呪霊でした。マッハを超える速度で地表に叩きつけられた真希と憲紀は、瞬時に迎撃態勢を取るものの、その呪霊が放つ異様な呪力総量と怨嗟に満ちた声に息を呑むことになります。