馬場ふみかが単独、あるいはW主演を務めたドラマ群を俯瞰すると、彼女が演じてきたキャラクター像は大きく3つのフェーズに分類できます。
第1フェーズは、2018年の『深夜のダメ恋図鑑』に代表される「痛快なスカッと系ヒロイン」です。少女漫画原作の実写化でありながら、男性の都合の良い幻想をバッサリと切り捨てる古賀円の姿は、多くの女性視聴者に爽快感を与えました。白目を剥くようなコミカルな表情から、正論を叩きつけるドスの利いた声色まで、コメディエンヌとしての高いリズム感を披露しました。
第2フェーズは、『ねぇ先生、知らないの?』(2019年)や『どうせもう逃げられない』(2026年)などの「等身大の恋愛ドラマ」です。仕事に没頭するあまり身なりに無頓着な漫画家役や、過去のトラウマを抱えた上司に懸命に向き合うアシスタント役など、日常の延長線上にあるピュアな恋心を繊細に演じ、視聴者に親近感を抱かせました。
そして第3フェーズが、2026年の『夫を社会的に抹殺する5つの方法』に結実した「ダークサスペンス・復讐劇」です。ここでは愛憎、支配と服従、家庭内暴力という極限状態に置かれた女性の精神崩壊と再生を演じ切りました。痛快な毒舌から等身大の純愛、そして狂気を孕んだサスペンスへ。作品を重ねるごとに表現のグラデーションを深めてきた歩みは、同世代の若手女優の中でも際立っています。