『終末のワルキューレ』を語る上で、作画を担当するアジチカ氏の常軌を逸したグラフィック表現を避けて通ることはできない。ギリシャ神話、北欧神話、仏教、そして歴史上の英傑たち。まったく異なる背景を持つ存在が同じリングに立ち、極限の死闘を繰り広げるという設定を、説得力をもって描き切る技術は圧倒的だ。
アジチカ氏の線の美しさは、静と動の極端な対比にある。武器を構える一瞬の静寂で見せる精緻な装飾の描き込みと、次の瞬間に叩きつけられる破壊的な攻撃の動的エネルギー。肉体の躍動感とともに描かれる重力や衝撃波の表現は、読者の脳内に直接音と衝撃を届けるかのようだ。単に「上手い」だけではない。キャラクターが内に秘めた執念や覚悟、絶望、そして歓喜といった感情の爆発(バースト)が、圧倒的な線画の密度によって肉体化されているのである。